TOPコラム高活性化NK細胞療法の効果は何で判定するのか?確かめ方と限界

高活性化NK細胞療法の効果は何で判定するのか?確かめ方と限界

高活性化NK細胞療法を調べていくと、期待される効果を並べた説明にはすぐ行き当たります。ところが「その効果を何で確かめるのか」まで書いてあるページは、ほとんど見つかりません。

ここが抜けたまま治療に入ると、数か月たってから「良くなっているのかどうかが分からない」という状態に陥りかねません。効果を判定する材料と、その材料が何を語れて何を語れないのかは、始める前に押さえておきたい部分です。

この記事では、効果の判定に使う2種類のデータと、血液検査の数値を読むときの注意点を整理します。あわせて、この治療が制度上どこに置かれているのかにも触れますので、判断の材料としてお読みください。

この記事の監修者

Riyoメディカルクリニック 院長 上利理代

上利 理代(あがり まさよ)

Riyoメディカルクリニック 院長
再生医療医/統合医療医/放射線治療専門医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター

高知医科大学(現・高知大学医学部)を卒業後、岡山大学放射線科に入局。放射線治療専門医として、がん治療の臨床に長年携わる。在宅医療・統合医療の現場を経て、発症を未然に防ぐ医療の実現を目指し、2022年7月にRiyoメディカルクリニックを開院。「病気を診るだけでなく患者様を診る」という姿勢のもと、幹細胞治療、高活性化NK細胞療法、エクソソーム(幹細胞培養上清液)を統合的に組み合わせた診療を提供している。

 

効果は画像データと血液検査データで判定する

高活性化NK細胞療法の効果は、画像データと血液検査データで判定します。当クリニックでも、投与を終えたあとにこの2種類のデータで評価しています。

見落とされがちなのは、判定には比べる相手が要るという点でしょう。治療を始める前の画像と数値が残っていなければ、あとから撮った画像が良いのか悪いのか判断できません。カウンセリングの段階で、どの検査をいつ撮るのかを医師と決めておいてください。

記録しておきたいのは、直近の画像検査の結果と血液検査の数値、そして治療を開始した日付です。他院で撮影した画像があるなら、提供を受けられるかどうかも早めに確認しておきましょう。判定の精度は、あとから足せない情報に左右されます。

投与は6回で1クールという組み立てで、間隔は基本的に3週に1回で約18週間、または2週間に1回で約12週間という2通りです。つまり判定までには数か月かかるでしょう。この期間を短く見積もっていると、途中で「まだ何も分からない」と感じて不安になりがちです。

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血液検査の数値だけでは効果を判定できない

血液検査の数値、とりわけ腫瘍マーカーの増減だけで効果を判定することはできません。ここは期待とずれやすいところなので、先に押さえておきましょう。

国立がん研究センターは、腫瘍マーカー検査を「がんの診断の補助や、診断後の経過観察、治療の効果判定などを主な目的」とする検査だと説明しています。ただし同時に、腫瘍マーカーの値だけでは診断できず、がんの進行や転移などの経過についても値の変化だけでは判断できないと明記しているのです。判断は「画像検査や病理検査などその他の検査の結果も併せて、医師が総合的に判断します」という形になります。

理由は数値の振れ方にあるのです。同センターは、がん以外の疾患の影響でがんがなくても高くなることがあり、逆にがんがあっても値が高くならないこともあると示しました。加齢や妊娠、飲酒、喫煙、薬の成分といった、がんの量とは無関係な要素が値を動かすこともあります。

だからこそ、画像データと血液検査データの両方を見る組み立てになっています。数値が少し下がっただけで安心したり、少し上がっただけで落ち込んだりする状態は、判定の材料を1つしか見ていないときに起こるのです。2つの材料をそろえてから判断するという段取りは、気持ちの上下を減らすうえでも役立ちます。

もう1つ知っておきたいのは、2つの材料が手に入る頻度が違うという点でしょう。腫瘍マーカーは採血のたびに数値が出ますが、画像を撮る回数はそれより限られます。数値だけが手元に増えていく状況では、判断の材料が自然と偏っていくのです。

画像を軸に置いて、血液検査の数値はそれを補う材料として読むという順番を、医師と共有しておいてください。途中の数値を見るたびに揺れることが減ります。

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NK細胞に期待されている働き

NK細胞はナチュラルキラー細胞の略称で、体内をめぐりながら異常な細胞を見つけて攻撃する免疫細胞です。高活性化NK細胞療法では、この細胞をご自身の血液から取り出し、体外で数を増やして活性を高めたうえで点滴で戻します。

期待の理屈はここにあるのです。見張り役の数と勢いが落ちているなら、外から補ってやればよいという考え方に立つ治療になります。用いるのは患者自身の細胞ですから、他人の細胞を使う場合と比べて拒絶反応の心配は小さいのです。

治療の分類としては免疫細胞療法にあたり、法律上は第三種再生医療等技術に位置づけられます。がんの治療だけでなく、予防や再発の抑制を見据えて検討する方も少なくありません。

ただし、免疫の働きは年齢や体調によって変わっていきます。細胞を増やせば必ず結果が伴う、という単純な関係ではないのです。期待の理屈が成り立つことと、実際に効果が確認されることは別の話だと切り分けてください。

 

制度としての先進医療には含まれていない

高活性化NK細胞療法は、制度としての先進医療には含まれていません。厚生労働省が公表している先進医療の一覧に、この治療の記載はないのです。

先進医療という言葉は、日常の会話では「進んだ治療」という意味で使われがちです。ところが制度上は、厚生労働大臣が承認した技術に限って保険診療との併用を認める、という限定された枠を指します。先進医療に該当する技術であれば、技術料は自己負担になるものの、診察料や検査料といった通常の診療にあたる部分には公的医療保険が使えるのです。

高活性化NK細胞療法はこの枠の外にあり、自由診療として行われます。「先進的な治療だから制度に認められている」という理解は成り立ちませんので、言葉の印象と制度上の位置づけは分けて受け取ってください。

公益財団法人生命保険文化センターは先進医療を「厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養その他の療養で、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術など」と説明しています。先進医療であれば技術料は自己負担になるものの、診察料や検査料など通常の治療と共通する部分には公的医療保険が適用されます。一方、先進医療の枠に入らない自由診療では、この併用が認められておりません。

つまり一覧に載っているかどうかで、自己負担する範囲そのものが変わります。高活性化NK細胞療法を検討する場合は、治療そのものの費用だけでなく、通院にかかる診察料や検査料も自費になる前提で見積もってください。

 

効果が確認しにくい理由と欠点

期待しにくい面もはっきり書いておきましょう。最も大きな前提として、自由診療として行われる免疫療法は、公的な整理のうえでは効果が証明されていない治療に分類されています。国立がん研究センターは、科学的に証明された免疫療法と証明されていない免疫療法を分けて示しており、自由診療として行われるものは後者に含まれると説明しているのです。

時間の面でも制約があります。採血したあとの培養に約2週間から3週間かかるため、決めた日にすぐ始められません。体調によっては施術の中止や延期の判断が入りますので、予定は前後するでしょう。判定が数か月先になることと合わせると、結果が見えるまでの待ち時間は長くなりがちです。

メリットとデメリットは同時に見ておきましょう。入院を必要としない点滴で行われる一方、効果を裏づけるエビデンスは確立していません。薬物治療や放射線治療と組み合わせたい場合には順番や時期の判断が必要になりますので、主治医の指示を優先してください。

もう一つ、判定そのものに時間がかかるという事情もあります。1クールを終えてから画像と血液の両方を見て評価するため、途中の段階では判断を保留するほかありません。待つ期間があることを前提に予定を組んでおきましょう。

費用は全額が自己負担です。効果の保証がない治療に自費で数か月を投じる判断ですから、すでに治療を受けている場合は必ず主治医へ伝えたうえで相談してください。同センターも、検討する際に担当医へ相談し、セカンドオピニオンを聞くことをすすめています。

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高活性化NK細胞療法の効果についてはRiyoメディカルクリニックへ

当クリニックは、厚生労働省に第2種再生医療(幹細胞治療)および第3種再生医療(高活性化NK細胞療法/計画番号:PC5240046)の提供計画が受理された医療機関であり、院内にCPC(細胞培養加工施設)を完備し、細胞の採取から培養、品質検査、投与までの全工程を院内で一貫して管理する体制を整えています。院内CPCの施設番号はFC5240026となっています。

院長の上利 理代は放射線治療専門医としてがん治療の臨床に長く携わりました。画像データをもとに治療の効果を評価してきた経験から、何をもって効果とみなすのかを治療前にお伝えする方針です。期待できることだけでなく、限界についても同じ場でご説明します。

立地はJR東西線の北新地駅の東出口からすぐ、JR大阪駅から徒歩約5分の大阪駅前第2ビル2階です。完全予約制ですので、電話またはWeb予約でお申し込みください。効果の判定方法だけを聞きたいという段階のご相談でも構いません。

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よくある質問

効果はいつわかるのか

1クールを終えたあとの評価が最初の目安になります。投与は6回で1クールという組み立てで、間隔は基本的に3週に1回で約18週間、または2週間に1回で約12週間です。数か月単位で見ていく治療だと考えてください。1クール終了時、または途中の段階で画像検査を実施する場合もあります。

 

腫瘍マーカーが下がれば効果があったと言えるのか

それだけでは言えません。国立がん研究センターは、腫瘍マーカーの値の変化だけでは進行や転移などの経過を判断できず、画像検査や病理検査の結果も併せて医師が総合的に判断すると示しています。

 

高活性化NK細胞療法は先進医療なのか

違います。厚生労働省が公表している先進医療の一覧に、この治療の記載はありません。自由診療として行われるため、費用は全額が自己負担です。

 

保険は使えるのか

使えません。公的医療保険で受けられる免疫療法は、効果と安全性が科学的に証明されたものに限られています。自由診療にあたるこの治療では、診察料や検査料も含めて全額が自己負担です。

 

標準治療と並行して受けられるのか

主治医の判断が前提になります。すでに治療を受けている場合は、必ず主治医へ伝えたうえでご相談ください。国立がん研究センターも、担当医への相談とセカンドオピニオンをすすめています。

 

効果が確認できなかった場合はどうなるのか

判定の結果をもとに、続けるかどうかを医師と相談して決めます。1クールは6回ですが、状態によっては3回で終了する場合もあります。続ける前提ではなく、区切って考える治療だとご理解ください。

 

参考文献

1. 厚生労働省「先進医療Aおよび先進医療Bの一覧」
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html

2. 国立がん研究センター がん情報サービス「腫瘍マーカー検査とは」
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/inspection/marker.html

3. 国立がん研究センター がん情報サービス「免疫療法 もっと詳しく」
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html

4. 公益財団法人生命保険文化センター「先進医療とは? どれくらい費用がかかる?」
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1204.html

 

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