TOPコラム幹細胞治療の適応疾患とは?対象となる病気と効果が期待される範囲を解説

幹細胞治療の適応疾患とは?対象となる病気と効果が期待される範囲を解説

幹細胞治療に関心を持ったとき、多くの方が最初に知りたいのは「自分の病気は治療の対象になるのか」という点でしょう。幹細胞には、傷ついた組織を修復し、失われた機能の回復を促す働きがあるとされ、さまざまな疾患への応用が進んでいます。

ただし、ここで注意しておきたい点があります。幹細胞治療といっても、保険適用として効果が確立されているものから、自由診療として研究段階にあるものまで、その立ち位置は疾患ごとに大きく異なります。「どんな病気にも効く万能の治療」という理解は、現実とかけ離れているのです。

本記事では、幹細胞治療の適応疾患を整理し、どの範囲で効果が期待され、どの範囲がまだ研究の途上にあるのかを、できるだけ正確にお伝えします。自分の状況に照らして治療を検討するための判断材料として役立ててください。

この記事の監修者

Riyoメディカルクリニック 院長 上利理代

上利 理代(あがり まさよ)

Riyoメディカルクリニック 院長
再生医療医/統合医療医/放射線治療専門医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター

高知医科大学(現・高知大学医学部)を卒業後、岡山大学放射線科に入局。放射線治療専門医として、がん治療の臨床に長年携わる。在宅医療・統合医療の現場を経て、発症を未然に防ぐ医療の実現を目指し、2022年7月にRiyoメディカルクリニックを開院。「病気を診るだけでなく患者様を診る」という姿勢のもと、幹細胞治療、高活性化NK細胞療法、エクソソーム(幹細胞培養上清液)を統合的に組み合わせた診療を提供している。

 

幹細胞治療の仕組みと「適応」の考え方

 

適応疾患を見ていく前に、幹細胞治療がどのような仕組みで働くのかを押さえておきましょう。

幹細胞とは、自分自身を複製する能力と、さまざまな種類の細胞に変化する能力を併せ持つ細胞です。私たちの体内では、この幹細胞が日々傷ついた組織を修復し、機能を維持する役割を担っています。幹細胞治療は、患者自身から採取した幹細胞を体外で増やし、活性化させて体内に戻すことで、本来の修復力を後押ししようとする治療だと言えるでしょう。

ここで「適応」という言葉についても整理しておきましょう。医療における適応とは、その治療を行うことが医学的に妥当と判断される状態を指します。幹細胞治療の適応を考える際は、効果が科学的に確立されているのか、それとも研究段階にあるのかという区別が欠かせません。同じ「幹細胞治療」でも、疾患によって立ち位置がまったく違うという事実を、まず理解しておきましょう。

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効果が確立されつつある適応疾患

幹細胞治療のなかには、すでに保険適用となり、効果と安全性が確立された治療として用いられているものもあります。代表的な例を見ていきましょう。

 

造血幹細胞移植

幹細胞治療のなかで最も歴史が長く、確立されているのが造血幹細胞移植です。白血病や悪性リンパ腫といった血液のがんに対して、骨髄や臍帯血に含まれる造血幹細胞を移植する治療として、長年にわたり実施されてきました。

造血幹細胞移植は、もはや研究段階の治療ではありません。標準治療の一つとして位置づけられ、多くの患者の命を救ってきた実績があります。幹細胞治療と聞くと最先端の自由診療を思い浮かべる方が多いものの、その源流には確立された移植医療があることを知っておくとよいでしょう。

 

重症の熱傷や角膜の再生

皮膚の幹細胞を培養して移植する治療は、広範囲の重症熱傷に対して用いられています。患者自身の皮膚から採取した細胞を培養し、シート状にして移植することで、損傷した皮膚の再生を促していくのです。

また、角膜の表面を覆う細胞が損なわれた病気に対しても、幹細胞を用いた再生医療が実用化されているのです。こうした領域では、幹細胞治療がすでに医療として根づいていると言えます。

 

研究と臨床応用が進む適応疾患

 

確立された治療がある一方で、効果が期待されつつも、まだ研究と検証が続いている領域も数多く存在します。報道や広告で目にする機会が多いのは、むしろこちらの領域かもしれません。

関節や運動器の疾患

変形性膝関節症をはじめとする関節の疾患は、幹細胞治療への関心が高い分野の一つです。すり減った軟骨や傷んだ組織に対して、間葉系幹細胞を投与することで、痛みの軽減や機能の改善を目指す治療が行われています。

膝や股関節、肩などの運動器疾患は、手術以外の選択肢を求める方にとって関心の対象となっています。ただし、効果の現れ方には個人差があり、損傷の程度によって期待できる範囲も変わってくるため、適応の見極めが重要になります。

 

脳や神経の疾患

脳梗塞や脊髄損傷といった、これまで治療が難しいとされてきた疾患に対しても、幹細胞治療の研究が進められているところです。損傷した神経組織の修復や、失われた機能の回復を目指す試みとして、臨床研究が各地で行われている段階です。

神経の領域は、再生医療が大きな期待を集める分野だと言えるでしょう。一方で、効果の確立にはさらなる研究の積み重ねが必要とされており、現時点では慎重な評価が求められる領域でもあります。期待と現実の両面を踏まえて検討することが大切です。

 

自己免疫疾患や慢性疾患

関節リウマチや一部の慢性疾患に対しても、間葉系幹細胞が持つ免疫を調整する働きに着目した研究が進められています。幹細胞には、過剰な免疫反応を抑え、炎症を和らげる作用があるとされ、その特性を活かした応用も模索されている段階です。

加えて、慢性的な痛みに対する再生医療も登場しました。Riyoメディカルクリニックでも、厚生労働省に提供計画が受理された慢性疼痛に対する脂肪由来幹細胞治療を行っており、長引く痛みに悩む方への選択肢の一つとなっています。

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適応を判断するうえで欠かせない視点

ここまで疾患ごとの立ち位置を見てきましたが、自分が治療の対象になるかどうかは、疾患名だけで決まるわけではありません。最終的な適応の判断には、いくつかの視点が関わってきます。

まず、その治療が保険適用なのか自由診療なのかという区別です。造血幹細胞移植のように保険診療として確立されたものと、自由診療として研究段階で提供されるものとでは、エビデンスの水準も費用も大きく異なります。検討している治療がどちらに当たるのかを、最初に確認しておきましょう。

次に、病状の進行度や全身の健康状態も適応を左右する要素になります。同じ疾患であっても、損傷の程度や体の状態によって、治療の効果が見込める範囲は変わってきます。だからこそ、適応の最終判断は、画像検査や血液検査などを踏まえて医師が個別に行うものなのです。

国立がん研究センターのがん情報サービスは、自由診療として行われる再生医療について、効果が証明されていないものも含まれると注意を促しています。(出典:国立がん研究センター がん情報サービス)適応疾患かどうかを調べる際は、その情報が確立された医療に基づくものか、研究段階の話なのかを冷静に見極める姿勢が欠かせません。

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適応疾患かどうかは専門医への相談で確かめる

インターネットには幹細胞治療の適応疾患に関する情報があふれていますが、その多くは一般的な傾向を述べたものにすぎません。自分の病気が本当に治療の対象になるのか、効果が期待できるのかは、詳しい医師による診察を経てはじめて判断できるものです。

「適応疾患の一覧に自分の病気が載っていた」という理由だけで治療を決めるのは、慎重さに欠ける判断かもしれません。逆に、「一覧になかったから諦める」というのも早計でしょう。病状の詳細を医師に伝え、検査を受けたうえで、適応の可否と効果の見込みを丁寧に説明してもらうことが、後悔のない選択につながります。

幹細胞治療を検討する際は、治療を提供するクリニックがどのような体制で診断と治療を行っているのかにも目を向けてみてください。院内に培養施設を備え、採取から投与まで一貫して管理できる体制が整っているかどうかは、治療の質を判断する一つの手がかりになります。

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幹細胞治療の適応についてはRiyoメディカルクリニックへ

「自分の病気は幹細胞治療の対象になるのか」「どの程度の効果が期待できるのか知りたい」とお考えの方は、大阪・梅田のRiyoメディカルクリニックにご相談ください。

当クリニックは、厚生労働省に第2種再生医療(幹細胞治療)および第3種再生医療(高活性化NK細胞療法/計画番号:PC5240046)の提供計画が受理された医療機関であり、院内にCPC(細胞培養加工施設)を完備し、細胞の採取から培養、品質検査、投与までの全工程を院内で一貫して管理する体制を整えております。

院長の上利理代は、放射線治療専門医としてがん治療の臨床に長年携わってきました。再生医療医・統合医療医として、幹細胞治療、高活性化NK細胞療法、エクソソーム(幹細胞培養上清液)を統合的に組み合わせた診療を提供しています。カウンセリングでは、適応の可否や期待できる効果、リスクについても丁寧にご説明いたしますので、どうぞ安心してお越しください。

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