TOPコラム免疫療法が向いている人の特徴は?効く仕組みと治療選択の考え方を徹底解説

免疫療法が向いている人の特徴は?効く仕組みと治療選択の考え方を徹底解説

「免疫療法に興味はあるが、自分に向いているのだろうか」

がんの治療選択肢として免疫療法を検討する際、多くの方がこの疑問を抱えています。免疫療法は手術・薬物治療・放射線に並ぶ治療の選択肢として急速に発展してきましたが、その効果はすべての人に等しく現れるわけではありません。

慶應義塾大学病院の解説によれば、免疫チェックポイント阻害薬単剤での奏効率はがん種によって5~30%程度とされており、効果が認められるのは一部の患者に限られるのが現実です(出典:慶應義塾大学病院 KOMPAS)。では、免疫療法が「効きやすい人」と「効きにくい人」の違いはどこにあるのか。そして、自分や家族がどちらに該当しそうかを判断するためには、何を知っておくべきなのか。

本記事では、免疫療法が向いている人の特徴を科学的な根拠とともに整理し、治療を選ぶ際の考え方をお伝えします。

 

免疫療法が効く仕組みを理解する

免疫療法が「向いているかどうか」を考えるには、まず免疫療法がどのようにがんに作用するのかを理解しておく必要があります。

私たちの体内では、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やT細胞といった免疫細胞が日々パトロールし、異常な細胞を発見すると攻撃・排除しています。ところが、がん細胞は自らの表面にPD-L1という分子を発現させてT細胞のブレーキ(PD-1)に結合し、「攻撃するな」という偽の信号を送ることで、免疫の監視をかいくぐって増殖を続けます。

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞がかけているこのブレーキを解除し、T細胞本来の攻撃力を回復させる薬剤です。一方、NK細胞療法のような免疫細胞療法は、患者自身のNK細胞を体外で増殖・活性化させて体内に戻すことで、免疫の「兵力」そのものを増強するアプローチを取ります。

つまり、免疫療法には「ブレーキを外す」タイプと「アクセルを踏む」タイプが存在し、それぞれで向いている人の条件が異なってきます。

 

免疫療法が向いている人に見られる特徴

免疫療法が効きやすい人にはいくつかの共通した特徴が確認されています。ただし、以下はあくまで傾向であり、最終的な適応判断は担当医との相談のうえで行う必要があります。

 

免疫が働きやすい「ホットな腫瘍」を持つ人

がんの免疫学では、腫瘍の周囲にT細胞などの免疫細胞が多く集まっている状態を「ホットチューマー(hot tumor)」、免疫細胞がほとんど存在しない状態を「コールドチューマー(cold tumor)」と呼びます。

ホットチューマーを持つ患者は、免疫システムがすでにがん細胞を「敵」として認識しているものの、がん細胞のブレーキ機構によって攻撃が抑制されている状態にあると考えられています。ブレーキを解除する免疫チェックポイント阻害薬が特に効果を発揮しやすいのは、このタイプの患者です。

 

PD-L1の発現が高いがんを持つ人

がん細胞の表面にPD-L1というタンパク質が多く発現しているかどうかは、免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測する重要な指標の一つです。PD-L1の発現が高いほど、がん細胞が免疫のブレーキを積極的にかけているとも解釈でき、そのブレーキを薬で外した際の効果が出やすい傾向があります。

たとえば非小細胞肺がんでは、PD-L1が50%以上の腫瘍細胞に認められる場合、ペムブロリズマブ単独での初回治療が適応となることが知られています(出典:日本肺癌学会 患者さんのためのガイドブック)。

 

遺伝子変異が多い(TMB高値の)がんを持つ人

TMB(腫瘍遺伝子変異量)とは、がん細胞に蓄積された遺伝子変異の数を示す指標です。変異が多いほど、がん細胞の表面に免疫システムが認識しやすい「目印(ネオアンチゲン)」が多く現れるため、免疫療法の標的となりやすいと考えられています。

メラノーマ(悪性黒色腫)や肺がんで免疫チェックポイント阻害薬の効果が比較的高い背景には、これらのがん種がもともとTMBの高い傾向を示すことが関わっているとされています。

 

全身状態が良好で免疫力が保たれている人

どれほど優れた治療法であっても、患者自身の体力や免疫機能が極端に低下している場合、十分な効果を引き出すのは困難です。PS(パフォーマンスステータス)と呼ばれる全身状態の指標が良好な患者は、免疫細胞が活発に機能できるため、免疫療法の効果が出やすい傾向にあります。

ここで重要な視点があります。薬物治療や放射線治療は、がん細胞とともに正常な免疫細胞にもダメージを与える場合があり、治療後に免疫機能が一時的に低下するケースは珍しくありません。免疫療法を検討するタイミングとして、免疫力がまだ保たれている段階、あるいは他の治療と並行して免疫力をサポートする形で導入するという考え方は、臨床上も重要なポイントとなり得ます。

 

免疫療法が向いていない可能性があるケース

一方で、免疫療法が適さない、あるいは効果が出にくいと考えられるケースも存在します。

活動性の自己免疫疾患を持つ方は、免疫のブレーキを外す免疫チェックポイント阻害薬によって自己免疫反応が悪化するリスクがあるため、慎重な判断が求められます。また、免疫抑制剤やステロイドを常用している方は、免疫の働きそのものが薬によって抑えられている状態にあるため、免疫療法の効果が減弱する可能性があります。

がんが急速に進行しており、治療に対する時間的猶予がほとんどない場合も、免疫療法の適応としては難しいケースに該当し得ます。免疫療法は効果が現れるまでに一定の時間を要することが多く、従来の薬物治療のような即効性は期待しにくいためです。

ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個々の患者の状態や治療歴によって判断は変わります。「向いていない」と自己判断で諦めるのではなく、専門医に相談したうえで適応の有無を確認するのが賢明でしょう。

 

保険適用の免疫療法と自由診療の免疫療法の違い

免疫療法が「向いているか」を考える際、保険適用の治療と自由診療の治療では判断の枠組みが異なる点も理解しておく必要があります。

 

保険適用の免疫チェックポイント阻害薬

国立がん研究センターのがん情報サービスによると、免疫チェックポイント阻害薬による保険診療が可能ながん種は、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、頭頸部がんなど多岐にわたります(出典:国立がん研究センター がん情報サービス)。ただし、保険適用を受けるにはがん種やステージ、前治療歴などの条件が定められており、希望すれば誰でも受けられるわけではありません。

 

自由診療の免疫細胞療法

NK細胞療法や樹状細胞ワクチン療法などの免疫細胞療法は、自由診療として提供されています。保険適用のチェックポイント阻害薬と異なり、がん種やステージの制限が比較的緩やかである点は特徴の一つです。

Riyoメディカルクリニックでは、厚生労働省に再生医療等提供計画が受理された「悪性腫瘍に対するNK細胞療法」(計画番号:PC5240046)を提供しています。NK細胞は「生まれながらの殺し屋」の名の通り、事前にがん抗原を学習しなくても異常な細胞を即座に認識・攻撃できる免疫細胞であり、がん種を問わず幅広い対象に対応し得るという特性を持っています。

ただし、国立がん研究センターのがん情報サービスでは、自由診療の免疫細胞療法について「効果が証明されていない免疫療法」と位置づけており、治療効果や安全性、費用については慎重な確認が必要であると注意喚起しています(出典:国立がん研究センター がん情報サービス)。自由診療を検討する際は、主治医と十分に相談し、保険適用の治療との関係性を踏まえたうえで判断することが不可欠です。

 

「がん予防」の観点から免疫療法を選ぶ人が増えている

免疫療法が向いている人を考える際、見落とされがちな視点が「がんの予防」です。

私たちの体内では毎日数千個の異常な細胞が生まれていますが、健康な免疫システムがそれらを排除し続けることで発症を防いでいます。加齢やストレスによって免疫機能が低下すると、この排除能力が弱まり、がんの発症リスクが高まると考えられています。

Riyoメディカルクリニックの院長・上利理代は「がんも細胞の老化やストレスによるダメージが重なることで発がんの段階に到達する」「免疫機能を正常化し機能向上することで、がんは予防可能な病気ととらえることができる」という見解を示しており、発症前の段階から免疫力を維持・強化するアプローチに取り組んでいます。

がん治療中の方だけでなく、「がんの家族歴がある」「加齢に伴う免疫低下が気になる」「健康なうちから免疫力をサポートしたい」と考える方にとっても、NK細胞療法のような免疫細胞療法は選択肢の一つとなり得るでしょう。

 

標準治療との併用で効果を高めるという考え方

免疫療法は単独で受けるものと考えがちですが、実際の臨床現場では標準治療との併用が重要なテーマとなっています。

免疫チェックポイント阻害薬の分野では、薬物治療との併用で奏効率が向上したことが複数の臨床試験で示されています。非小細胞肺がんにおけるペムブロリズマブと薬物治療の併用が初回治療として承認されたのは、その代表的な事例でしょう。

免疫細胞療法においても、手術前後や薬物治療と並行して免疫細胞を補充し、低下した免疫力の回復を図るアプローチが取られています。Riyoメディカルクリニックでも、NK細胞療法の期待される効果として「薬物治療や放射線治療との併用で相加・相乗効果が期待できる」「手術の前後に行うことで、低下した体力や免疫力の回復、向上が見込める」としており、統合的な免疫サポートの考え方を重視しています。

免疫療法を検討する際は、「免疫療法だけで治す」という発想にとらわれず、手術や薬物治療、放射線治療といった確立された治療との組み合わせの中で、免疫療法をどう位置づけるかという視点を持つことが大切です。

 

免疫療法のご相談はRiyoメディカルクリニックへ

「免疫療法が自分に向いているか知りたい」「保険適用の治療と自由診療の違いを理解したい」「がん予防の観点から免疫力を高めたい」とお考えの方は、大阪・梅田のRiyoメディカルクリニックにぜひご相談ください。

当クリニックでは、厚生労働省に再生医療等提供計画が受理された「悪性腫瘍に対するNK細胞療法」(計画番号:PC5240046)を提供しています。院内にCPC(細胞培養加工施設)を完備し、患者様のNK細胞を院内の厳格な管理下で熟練の培養技師が増殖・活性化させる体制を整えています。

院長の上利理代は放射線治療専門医としてがん治療の臨床に長年携わった経験を持ち、再生医療医・統合医療医としてNK細胞療法、幹細胞治療、エクソソーム療法を統合的に組み合わせた診療を提供しています。カウンセリングでは、患者様の状態に合った治療の選択肢と、効果やリスクの両面を丁寧にご説明いたします。

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