TOPコラム第二種再生医療とは?第一種・第三種との違いや具体例をわかりやすく解説

第二種再生医療とは?第一種・第三種との違いや具体例をわかりやすく解説

再生医療は、病気やケガ、加齢によって損傷した組織や臓器を修復・再生する先端医療技術として注目を集めています。日本では「再生医療等安全性確保法」によって再生医療が第一種・第二種・第三種の3つに分類されており、それぞれリスクの程度や必要な手続きが異なります。

本記事では、第二種再生医療を中心に、各分類の違いや具体的な治療例、届出の流れについてわかりやすく解説いたします。

 

再生医療とは

再生医療とは、人の体内に存在する細胞や組織を活用して、失われた身体機能を回復させる医療技術の総称です。従来の医療では治療が困難だった疾患や症状に対して、根本的なアプローチが可能になると期待されています。

再生医療の中核を担うのが「幹細胞」と呼ばれる特殊な細胞です。幹細胞は自己複製能力(自分と同じ細胞を作り出す力)と分化能力(さまざまな種類の細胞に変化する力)を持っており、損傷した組織の修復において重要な役割を果たします。

日本では2014年に「再生医療等安全性確保法」が施行され、再生医療を提供する医療機関には厚生労働省への届出が義務付けられました。患者様が安全に再生医療を受けられる環境を整備するため、治療内容に応じたリスク分類と審査体制が設けられています。

 

再生医療等安全性確保法による3つの分類

再生医療等安全性確保法では、使用する細胞の種類や加工方法、リスクの程度に応じて、再生医療を第一種・第二種・第三種の3つに分類しています。分類によって、必要な審査機関や手続きの流れが異なります。

 

リスク分類の考え方

再生医療のリスク分類は、主に以下の観点から判断されます。

使用する細胞が「自己由来(自分の細胞)」か「他家由来(他人の細胞)」か、細胞にどの程度の加工を施すか、使用する細胞の種類(iPS細胞、ES細胞、体性幹細胞など)は何か、といった要素を総合的に評価してリスクレベルが決定されます。

一般的に、他家由来の細胞を使用する場合や、高度な培養・加工を行う場合、多能性幹細胞(iPS細胞やES細胞)を使用する場合はリスクが高いと判断されます。

 

第一種再生医療とは

第一種再生医療は、3つの分類の中で最もリスクが高いとされる再生医療です。

 

第一種に該当する治療の特徴

第一種再生医療に分類されるのは、以下のような特徴を持つ治療です。

iPS細胞やES細胞といった多能性幹細胞を使用する治療が代表的です。多能性幹細胞はあらゆる種類の細胞に分化できる能力を持つ反面、腫瘍形成のリスクなど安全性に関する懸念があるため、最も厳格な管理が求められます。

また、他家由来の細胞(他人から提供された細胞)を使用する治療の一部も第一種に分類されます。

 

第一種再生医療の具体例

第一種再生医療の具体例としては、iPS細胞を用いた網膜色素上皮細胞の移植(加齢黄斑変性の治療)、iPS細胞由来の心筋シートを用いた心臓病治療などが挙げられます。

 

第一種再生医療の審査体制

第一種再生医療を提供するためには、特定認定再生医療等委員会による審査を経た後、厚生労働大臣の届出を行う必要があります。審査基準は非常に厳格であり、提供できる医療機関も限られています。

 

第二種再生医療とは

第二種再生医療は、第一種ほどではないものの、一定のリスクがあると判断される再生医療です。美容医療や整形外科領域で広く活用されており、クリニックで提供される再生医療の多くが第二種に該当します。

 

第二種に該当する治療の特徴

第二種再生医療に分類されるのは、主に体性幹細胞(成体幹細胞)を培養・加工して使用する治療です。体性幹細胞は、脂肪組織や骨髄、皮膚などから採取できる幹細胞で、iPS細胞やES細胞と比較すると安全性が高いとされています。

ただし、培養によって細胞を増殖させる工程や、採取した組織とは異なる部位に投与する「非相同利用」を行う場合は、一定のリスクがあると判断され、第二種に分類されます。

 

第二種再生医療の具体例

第二種再生医療の代表的な具体例を紹介いたします。

 

脂肪由来幹細胞を用いた治療

患者様自身の脂肪組織から幹細胞を採取・培養し、関節や皮膚などに注入する治療が第二種に該当します。慢性疼痛を引き起こす様々な疾病や変形性質関節症、アトピー性皮膚炎などへの治療や美容目的での肌治療に活用されています。

 

線維芽細胞療法

皮膚から真皮線維芽細胞を採取・培養し、シワやたるみが気になる部位に注入する美容治療も第二種再生医療に分類されます。自己細胞を使用するため安全性が高く、自然な若返り効果が期待できます。

 

骨髄由来幹細胞を用いた治療

骨髄から採取した間葉系幹細胞を培養し、損傷した組織の再生を促す治療も第二種に該当するケースがあります。

 

第二種再生医療の審査体制

第二種再生医療を提供するためには、特定認定再生医療等委員会による審査を経た後、地方厚生局への届出が必要となります。第一種と比較すると手続きは簡素化されていますが、専門委員会による厳格な審査は必須です。

届出が受理されると、厚生労働省のWebサイト「e-再生医療」に提供計画が公開され、どの医療機関がどのような再生医療を提供しているかを確認できるようになります。

 

第三種再生医療とは

第三種再生医療は、3つの分類の中で最もリスクが低いとされる再生医療です。

 

第三種に該当する治療の特徴

第三種再生医療に分類されるのは、採取した細胞や組織を最小限の加工で使用する治療です。自己由来の細胞を、採取した組織と同じ目的で使用する「相同利用」が基本となります。

 

第三種再生医療の具体例

第三種再生医療の代表的な具体例を紹介いたします。

 

PRP療法(多血小板血漿療法)

患者様自身の血液から血小板を多く含む成分(PRP)を抽出し、肌や関節に注入する治療が第三種に該当します。血小板に含まれる成長因子が組織の再生を促進し、シワの改善や関節痛の緩和が期待できます。

培養を行わず、採血した血液を遠心分離するだけの最小限の加工で済むため、第三種に分類されています。

 

脂肪注入(非培養)

脂肪吸引で採取した脂肪組織を、培養せずにそのまま顔や胸などに注入する治療も第三種に該当します。豊胸術やエイジングケアで活用されています。

 

免疫細胞治療

自身の血液から採取したリンパ球(免疫細胞)を培養し賦活化させ、静脈投与によって体内に戻す事で、低下した免疫機能を再活性させる治療法です。悪性新生物への治療および予防医療として行われています。

 

第三種再生医療の審査体制

第三種再生医療を提供するためには、認定再生医療等委員会による審査を経た後、地方厚生局への届出が必要となります。第一種・第二種と比較すると審査基準は緩やかですが、届出なしで提供することは法律違反となります。

 

第一種・第二種・第三種の違いを比較

3つの分類の主な違いを整理してみましょう。

 

リスクレベルの違い

第一種は「高リスク」、第二種は「中リスク」、第三種は「低リスク」と位置づけられています。使用する細胞の種類や加工の程度によってリスクレベルが判断されます。

 

審査機関の違い

第一種は特定認定再生医療等委員会での審査後、厚生労働大臣の届出が必要です。第二種は特定認定再生医療等委員会での審査後、地方厚生局への届出となります。第三種は認定再生医療等委員会での審査後、地方厚生局への届出で提供可能です。

 

使用する細胞の違い

第一種はiPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞が主な対象となります。第二種は培養した体性幹細胞(脂肪由来幹細胞、線維芽細胞など)が中心です。第三種は培養を行わない血液成分(PRP)や非培養の脂肪組織、自身の血液からの免疫細胞などが対象となります。

 

再生医療を受ける際の確認ポイント

再生医療を検討している方は、以下の点を確認することをお勧めします。

 

届出の有無を確認する

再生医療を提供する医療機関は、必ず厚生労働省への届出を行っている必要があります。届出なしで再生医療を提供することは法律違反であり、過去には無届けで第二種再生医療を行った医療機関に対して停止命令が出された事例もあります。

厚生労働省の「e-再生医療」サイトでは、届出された再生医療等提供計画の一覧を確認できます。受診を検討しているクリニックが適切に届出を行っているか、事前に確認しましょう。

 

治療内容の説明を十分に受ける

再生医療の種類や期待できる効果、リスク、費用について、カウンセリングで十分な説明を受けることが大切です。メリットだけでなくデメリットやリスクについても丁寧に説明してくれる医療機関を選びましょう。

 

細胞培養加工施設の確認

第二種再生医療では細胞の培養が行われるため、培養を行う細胞培養加工施設(CPC)の品質も重要なポイントとなります。院内にCPCを保有しているか、外部に委託している場合はどのような施設と連携しているか、確認してみるとよいでしょう。

 

まとめ

第二種再生医療は、培養した体性幹細胞を使用する再生医療であり、美容医療や整形外科領域で広く活用されています。脂肪由来幹細胞を用いた治療や線維芽細胞療法などが代表的な例として挙げられます。

再生医療等安全性確保法により、第一種(高リスク)、第二種(中リスク)、第三種(低リスク)の3つに分類され、それぞれ異なる審査体制と手続きが設けられています。第二種再生医療を提供するためには、特定認定再生医療等委員会による審査と地方厚生局への届出が必須となっています。

再生医療を受ける際は、医療機関が適切に届出を行っているか、厚生労働省の「e-再生医療」サイトで確認することをお勧めします。安全で効果的な治療を受けるために、信頼できる医療機関を選び、十分な説明を受けたうえで治療に臨むことが大切です。

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