新たな がん治療薬「ADC」
2025年 新たな乳癌治療薬として大きな期待が寄せられる「ADC」
「ダトロウェイ」が承認されました

ADC:抗体薬物複合体とは
癌特有の分子に対する抗体 と 癌細胞を破壊する薬剤 を複合させたバイオ医薬品です
抗体と薬剤が、リンカーという構造によって安定的に複合されています
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- 体内に投与されたADCは、その癌特有の抗体によって
迷うことなく がん細胞に到達します
- がん細胞に到達すると、細胞内エンドソーム·ライソゾームによって
リンカーが分解され、薬剤が切り離されます
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切り離された薬剤は活性化し、がん細胞へ抗腫瘍効果を発揮します
- 体内に投与されたADCは、その癌特有の抗体によって
この動きによって、高い細胞選択性と抗腫瘍効果を維持できると言われています
現在、日本で承認されているADCは14種類あります
(*国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部 webサイト「抗体薬物複合体」)
中でも2024年末に承認されたADC ダトロウェイは
「化学療法歴のある
ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の
手術不能又は再発乳癌」
を適応とします
つまり、ホルモン療法が有効なHR陽性乳がんでも、
効果が無くなってきたり再発したりの場合、治療法が非常に限定的となりますが、
そういった方々にとって新たな治療法が登場したとも言えます
ダトロウェイの場合、
Trop2という、乳がんや一部の肺がんで異常発生するたんぱく質を抗原として設計されています
Trop2と、がん細胞が増殖する際に必要なDNA複製を阻害する薬剤DXdが
リガンドで複合されています
このTrop2が高い安定性で体内を循環し、がん細胞まで到達、
リガンドが分解されて放出されたDXdが
がん細胞へ効果を発揮する仕組みとなっています
Dxdのさらに良い点は
標的となった癌細胞で放出された薬剤が、隣接した癌細胞にまで効果を発揮する点です
この「バイスタンダー効果」によって
必ずしも大量にTrop2を発現していなくても
より広範な抗腫瘍効果をもたらす可能性が見込まれます
こんな、夢のような「魔法の弾丸」のような薬剤でもやはり
デメリットはあります
コストの問題や薬剤耐性問題
有害事象の存在(副作用)
なので、主治医とよく相談して慎重に進める必要があります
とはいえ、ADCのバイオテクノロジーは、様々な疾患への応用も可能であるため
更なる発展が期待されています

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