父のはなし

私の父は
礼儀に厳しく　それでいて　家族思いの
熱い熱い人です

 

もともと　高校の化学の教師でしたが
姉が産まれたころに、化学系大手企業へ途中入社したと聞いています

 

環境保全、保安環境のプロとして
あらゆる国際資格を取って、最後には東京本社のGMを務めた努力家です
たゆまぬ努力を惜しまなかった父を　私は尊敬しています

 

私の記憶の中の父は
いつも勉強している
時間を見つけては机に向かっている
努力している
そんな人でした

 

それでいて
わたしたち子供に全力で関わってくれ
溢れんばかりの愛情を注いでくれました

 

お転婆だった私はよく𠮟られていたけれど

 

せみを捕まえたいというと、虫網の使い方をとことん教えてくれたし
犬小屋も車庫も一緒に日曜大工で作り上げました
年末には、わらでしめ縄を編むのが恒例でした

 

ブラックバス釣りに一緒に行ったのも、
ルアーの作り方を教えてくれたのも
磯釣りや沖釣りに一緒にいったのも
カブトムシを捕まえに、
早朝にカブに乗せてくれ梨畑に連れて行ってくれたのも

父でした

 

中学3年冬に、私がいじめをうけていた頃
毎晩、お風呂で泣いていることに一番に気付いてくれたのも
気分転換に日曜日に畑仕事に連れて行ってくれたのも

父でした

 

大学受験の面接練習にとことん付き合ってくれたのも
合格発表のとき、誰よりも先に号泣したのも

父でした

 

 

そんな父が、
3年前に、首の病気で歩行不可能な状態になりました
会話もできない状態になりました
一縷の望みを託して大きな大きな手術をし、
当院の再生医療（点鼻薬）を術前術後と継続しながら
リハビリしたことで、また歩けるようになりました
また、話せるようになりました

 

 

いま、ベッドで寝ている父の足の爪を切りながら思うことは
「いつ何時も、私の尊敬する父親だ」ということです
「父は　変わりなく　父である」ということです

 

私も、自分以外の誰かを大事に思い
大事に思われるよう
毎日を送りたいと切に願っています

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